読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

darkmeteor’s blog

場末のライターの徒然日記

ブラック企業を見分けるために(Part1)

ブラック企業には共通点とヒントがある

4月を迎え、フレッシュなリクルートスーツに身を包んだ17年度卒の新入社員や18年度卒の就活生が増えてきた。

その一方、新卒三年以内離職率は年々上昇。
卒業前にはイメージしきれていなかった現実とのギャップに苦しむ若者が増えている。

中でもブラック企業は未だに数多く存在し、高い離職率を記録している。
そうした企業を早期から見分ける方法があれば苦労しないのだが、なかなか難しいのが現実。
求人を常に出している、朝礼がある、社内に覇気がないなど様々なことがネット上では書かれているものの、一概にこれがブラック企業と断定できるほどのものではない。
そこで今回は前半・後半に分け、業界軸・職種軸の観点から、ブラック企業の危険性が高いものを列挙していく。

《"危険"な業界》
・不動産
・マスコミ(広告・映像・新聞・出版)
・人材派遣
・印刷
・飲食
・ブライダル

上記のような業界は基本的に激務の企業が多く離職率が高い。
特に斜陽なのに人気がある業界が多く、悪辣な条件でも人が集まることから労働環境が改善されにくい。
環境改善のために努力している企業は調べていけば必ずあるものの、一部業界ではそれがニュースにすらなるほど珍しいパターンも少なくない。

《不動産》
若いうちから高額年収を稼げるという謳い文句で若者をかき集めているが、数ある業界の中でも離職率が極めて高い業界。
事業内容にもよるが、年間休日100日以下(毎週週2日休めない)で拘束時間が長く激務。
徹底的な成果主義のため、成果が上がらないとパワハラまがいの激しい叱責を受ける。
「大手であろうがベンチャーであろうが待遇に大差はない」のも特徴の一つ。
大声での朝礼や合宿、街中での名刺交換などもこの業界に多く、洗脳に近い形で日夜精神鍛錬が行われている。
肉体的にも精神的にもキツく、せっかく受注できそうな案件を上司や同僚に奪われることすらもある。
キチンと会社名を調べれば過去に行政処分を受けている可能性もあるため、なんとなく飛び込むと後悔しかない業界だ。

《マスコミ》
学生だけでなく全世代から人気の業界。
ただし実態は教育制度などは存在せず、とにかく実務をこなして覚えていくしかない企業が大半である。
自分たちがまともな教育を受けてきていないため、部下の指導や職場の環境改善ができるマネージャーが基本的にいない。
理解して入っても挫折する人が絶えないが、心の中にある「自分ならきっと大丈夫」という甘い考えで職歴を汚す人は少なくない。
電通の自殺なども他人事ではないほどに残業時間は多く、業界ではマシと言われている企業ですら月100時間近い残業は覚悟すべき。
電通はダメだし博報堂ADKなら…」という浅はかな考えは通用しない業界である。
また、人前での罵倒といったパワハラが根強いこともあり、精神を壊しやすいのも特徴。
特に近年はネットの台頭で斜陽化の一途をたどっているため、事業の成長性はなく、早朝・深夜構わず発生する仕事も相俟って、とてもじゃないが骨をうずめられるものではない。
見込み残業の給与体系が多く、中小では見込み分を超過しても残業代は出ない。そもそもタイムカード自体が存在しないことも珍しくない。

《人材派遣》
多く人の人生をコーディネートする業界として人気だが、実態は採用したスタッフを他社に丸投げし、昼夜問わず様々な苦情や叱責を受けるストレスフルな業種。
若者に人気な反面、年上かつ横暴なスタッフや、勝手にばっくれるスタッフ達も数多く、とてもじゃないが若年層が取り仕切れる仕事ではない。
人を商材にすることの罪悪感を切り離せたとしても、残業時間も極めて多く体力・メンタル共に損耗が激しい。

《印 刷》
企業によっては関わる業界は多いものの、常に最下流の工程を担当しているため納期がキツく、インクの匂いもキツく、労働時間もキツい業界。
職人気質が多いことから、上流にあたるコンサルティングやマネジメントをできる人材は皆無で、永遠と下請けとしての激務が続く。
給与に見込み残業時間が100時間近く含まれていることがあるため、実際の賃金は雀の涙ほど。
マスコミ同様に世間に制作物が流通するというやりがいはあれど、労働環境としては最悪の部類に入る。

《飲 食》
言わずと知れた激務薄給の業界。
誰でもできる調理や配膳を生業としているため、学歴の低いスタッフが多く、ケンカやイジメなど低次元な争いも多い。
若いうちから店長を任されることも多く、責任感のないアルバイトの管理や集計、クレーム対応や上長からの売上の詰めなど、遅くまで働いた挙げ句、精神的に堪える業務が絶えない。
専門的なスキルが何一つ身に付かず、給与アップも見込みづらいため、転職者が絶えず、同時に求人人気も非常に低い業界。

《ブライダル》
女性人気が絶えない仕事だが、女性中心な分特有のストレスを抱えやすい業界。
30歳まで残れればマネージャーになれると言われているほど離職率が高く、専ら早期に寿退社するか、キャリアウーマンを突き詰めて生涯独身となるしかない。
華やかに見える反面、その実態はリピートのない新規営業。顧客の獲得ノルマを課されることが多く、制約額も評価の一部となるため、式当日までカップルへの営業が絶えることはない。
早朝から準備に取りかかり深夜にまで及ぶ宴会を担当しつつ、営業や雑務を全てこなさなければならないため、勤務時間が極めて長く、女性には肉体的なハードさが際立つ。
担当カップルに昼夜問わず対応しなければならず、失敗できないプレッシャーも強いため、精神的にも追いつめられやすい。
何より土日休みを取りづらいため、家庭との両立が困難。長期勤務や結婚を望む女性にとっては厳しい環境となっている。


以上が業界ごとの特徴となる。
基本的に「人気があって人が集まる業界」「好きを仕事にする業界」は危険性が高い。
求人上の特徴では「使用期間が長い(6ヶ月程度)」「インセンティブが年収の大半を占めている」「未経験のわりには給与が高め」「選考があまりにもスピーディ(面接1回のみ)」など、様々なヒントが隠されていることがある。
口コミサイトの内容も主観に基づいているため鵜呑みにできないとはいえ、悪評が多数を占めるのであれば、危険性はそれだけ高まると考えていい。

上記業界では特に、入社後の流れや年間休日数、残業時間の確認、給与にどれくらいの見込み残業代が含まれているか、使用期間中の待遇などを確認すべきである。
求人には記載されていないことが多いため、面接時の会話の流れの中で確認するのがベスト。
当然そればかりを聞いていればどの企業も落ちるため、あくまでも一つの確認事項として留めておくべきである。

メディア業界の現実と虚構

■「死」すらも塗り潰す「憧れ」の光

10月1日には就職情報媒体「リクナビ2018」が開設。

各企業のインターンや合同説明会など、様々なイベントや情報が解禁され、電車内でもリクルートスーツに身を包んだ大学生の姿を目にする時期になった。

その就活前線の中でも、十年以上前から”斜陽”と言われながらも未だに人気の業界が「メディア」だ。

中途の求人情報媒体においても、メディア業界もしくはクリエイティブ職には他業界他業種(事務職を除く)の約5~10倍の応募者数が募るほど。

在職者においても、情報発信や自己表現を仕事にするこの業界への憧れというものは根強い。

 

そんな最中、昨今ニュースにもなりネットを騒がせているのが某広告代理店の新卒女性の自殺。広告業界大手三社を表した単語”DHA”の「D」。一般にも広く知られるほどの大企業だ。

しかし、恐らくはこんなニュースが出ても、この業界ひいてはDへの就職希望者は後を絶たないだろう。

それくらいこの業界というのは、「憧れ」によって支えられている。

だからこそ、悪習ですらそう簡単に変わることはなく、死者を出しながらもしっかりと歯車は回り続ける。

 

■好きだからではない、それしかできないからここにいる。

さて、転職組でかつたった2年程とはいえ当の筆者もその業界にいる。

Dのケースは極端な事例とはいえ、広告代理店・放送局・新聞・出版・音楽と、各業界共にその過酷さに大差はない。

求人広告の時点で年休100日未満の表記も珍しくないし、求人広告でその表記であれば十中八九休日出勤などでそれを大きく下回るのが実情だ。

かくいう求人広告を扱うRも封建制という言葉が似合うほどの体育会系の体質。

番組製作でも、数十人いた同期が3年で1人だけに。新聞に至っては記者会見に集まった記者たちが「あそこのあの人辞めた」なんて毎回話している始末だ。

企業によっては新人が一週間以内に辞めるのも珍しくない。それくらいハードかつ理不尽な状況が状態化している。

 

しかし何故そうある中で彼らはこの業界で続けていくのか。

理由は単純明快。「それしかできない」人たちの集まりだからだ。

営業や事務職はともかく、「クリエイター」に分類される現場で活躍する彼らは往々にして特定の才能に特化している。

文章・映像・写真など種類は様々だが、皆共通して「普通の仕事」に適性がない。

落ち着いて事務作業なんて無謀だし、そもそもの思考回路がズレている分組織への馴染みも悪い。

それは彼らからしても「組織化」に重点を置いた学校教育の時点でその事実には気づいている。

だからこそ、そこで自分が特化したスキルを活かして働くしかないのだ。

中小企業ともなれば、安月給であるにも関わらず。

 

当然将来クリエイターとなる彼らも、きっかけの一つは「憧れ」だ。

しかし入社後数ヶ月で「憧れ」は廃れ、理不尽なハードワークの中で無理やり技術を身に着けていく。

そしてその中でスキルを得られた極僅かな者だけが、仕事をルーティン化でき、日常をハードとも思えなくなる一種の麻痺状態に陥る。

幸い飲食業界のように組織単位としての洗脳ではなく、「周囲がそうだから」という理由で個々人として勝手にその状況を受け入れている上に、日々バッタバッタと人が辞めていくので周囲も慣れ、限界を迎えた人の退職までの流れも早い。

チャラい業界人が多いのも、彼らにはのらりくらりとかわせるメンタルがあったからに過ぎない。純粋で真面目であるほど、その落差に絶望する。

そんな異常な退職率の中でも「憧れ」で入ってくる若者は絶えない。そしてまたその中から「選別」が行われ、適性のある者だけが「憧れ」を失いながらルーティンワークに臨む。そのサイクルが永遠と繰り返されているのがメディア業界の実態だ。

もちろん芸能人に会う機会も少なくない。中には付き合って結婚するような者もいるだろう。

しかしそうなるまでに至るまで続けられるのは極僅かだ。しかも、そんな華やかさを享受できる保障もない。それに中小企業や下請けではあり得ない話だ。

狭き門をくぐり抜けてたどり着いた先は、才能に特化した人間たちが日々レッドブルリポDで寿命を削りながら働く地獄のような世界。

学生が想像する「華やかな世界」は、遠く幻に近い。

 

■「それでも」と思うなら

諦めきれない夢であるなら、挑戦する価値はある。

大学生であれば、恐らくそんな地獄の世界は想像もつかないし、きっと自分には訪れないだろうという楽観的観測も加わる。

他業界では得られないような経験もできるだろうし、苦難を味わわずしてその壮絶さを認めることはできないだろう。

しかし、死ぬほどの苦しみを味わうくらいなら元々この業界には適性などない。

何度も言うが、残っている人間の殆どは「これしかできない」と自覚した上でやっているだけだ。周りに気を遣っているわけでも体裁を気にしているわけでもない。

辛いなら迷うことなく辞めるべきで、探せば同業界でも今よりマシなところは意外と出てくる。

異業界でもライターや編集者、制作スキルを求める企業はあるし、本気で向いてないと思ったならいわゆる普通の仕事の方が適性があるということだ。

30代を超えたならリスキーな賭けなので当然オススメはしない。

結局体力なしに務まる仕事ではない。

 

■目指すならコネか経験

残念なことに目指す学生は相変わらず多いのがメディア。

不人気業界と比べたら大企業の新卒の入社倍率は何百倍か知れない。

そしてキー局のアナウンサーを見ても分かるように、メディア業界のコネは強い。

芸能人や大企業のご子息クラスなら無条件で入れるし、役員クラスでも二次試験くらいまではパスできる。

それがないのであれば学生時代にどれだけ経験を積めるかだ。

よくあるサークル活動でも大会実績など目に見える成果があったり、インターンや大きいサークルで企業との繋がりを作ったりというコミュニケーション面。(ex:ミスコンなど)

そして映像制作やデザイン会社などで現場で使う実務経験を体得しておく、などなど。

学生の内にやれることはある。

少なくともボーっとサークル活動してバイトしてて大企業に入れることはない。

そこよりももっとキツく安い中小に入れて万々歳だ。

そして何より、これを読んで尚、自分ならいけると思っているのであれば致命的に才能がないか、天才的な才能があるかのどちらかだ。とりあえず試してみる価値はある。

 

何にせよ、メディア業界は想像しているような華やかな企業は殆どない。

コーポレートサイトが綺麗なのも、残業を重ねているクリエイター達の血みどろな作品の一部。名前を聞いたことのある企業ですらそんな体たらくだ。

もっと言えば、「好き」を基準にする職業で楽なところはない。アパレルやゲームなどに代表されるように。

そしてこの業界に一番向いていないのは「普通」に過ごしてきた人たちだ。学校で窮屈な思いをしてきたような人の方が活躍はできるだろう。

家柄も成績もそれなり、見た目もファッションもその辺にいる大学生みたいな人たちは、残念だが適性はない。すぐに他の業界を見るべきだ。