場末のライターの徒然日記

なんとなく思ったことを気ままに。言葉を選ばない点は、何卒ご容赦くださいませませ。

読みたくなるポートフォリオ

ライターの就職・転職でよく見かける

ポートフォリオ」というフレーズ。

 

いわば作品集的な意味合いで使われることが多く、

前職やフリーランスで活動していた時の実績記事など、

「実務上の作品集」を指すケースがほとんどです。

 

採用企業側としては基本的な文章力をチェックする目的だったり、

媒体によっては表現力を見るためのものとして提出を求めています。

 

しかし「そもそも未経験だと提出できるポートフォリオなんてない…」

というライティング未経験の方も少なくないはず。

 

そこで今回はポートフォリオを作る上でのポイントをご紹介した上で、

人に読まれるポートフォリオの作り方をご紹介したいと思います。

 

◆読まれる文章、読まれない文章

採用を行っている企業にもよりますが、

ポートフォリオをチェックするのは人事担当ではなく、

実際に実務に就いているライターが行う場合がほとんどです。

 

「餅は餅屋」という言葉の通り、

人事よりライターが判断した方が確実に文章力が見抜けます。

 

そのため「ポートフォリオ」による判断は

ライター未経験の方が想像している以上にシビア。

下手なものを送ってしまうとひと目で選考から落とされる、

なんてことも十分にあり得ます。

 

では落とされるポートフォリオはどんなものなのかといえば…

 

  • テーマや目的が不明な小説やエッセイ、ブログ
  • 読み手への配慮に欠いた文章
  • 単純に読みにくい文章

 

など、その他にも様々な要素がありますが、

大きく括ると、この3つに集約されてきます。

 

●テーマや目的が不明な小説やエッセイ、ブログ

これに関しては「誰に向けて、どんな目的で、どんな工夫をして書いているのか」

という点が一切わからないので、通常、中身を読まれずして選考から落とされます。

 

商用のライティングは絶対と言っていいほど、

「対象」「目的」「設計」の3点を意識した執筆を行っています。

 

たとえば筆者のブログであれば…

 

  • 対象→「ライター志望の20代」
  • 目的→「情報提供」
  • 設計→「ライター採用のリアルを届ける」

 

といった具合にコンセプトメイキングを行い、これに沿って執筆をしています。

 

そのためこの3点が「読み始めてすぐに」分からないものは読み捨てられます。

恐らく面白くないと感じる文章の多くはこの工程が十分に構築できていません。

 

とはいえ小説のような形式になると伏線などの関係上、

早い段階からこれを伝えることが難しい場合もあります。

 

そのケースでは必ず上記3点が分かるようなコンセプトシートを同封し、

これを読んだ上で本文に目を通してもらうようにしてください。

 

説明が長過ぎるコンセプトシートは逆効果になるので、

なるべく具体的かつ簡潔にまとめると良いかと思います。

 

これができていれば「読まれもせず選考から落とされる」、

という最悪のパターンは避けられるかと思います。

 

●読み手への配慮に欠いた文章

あまり聞き慣れない表現や単語を文章の至るところで使っているもの、

特定の人を中傷するようなもの、過激な表現が多様されているものなどは、

読み手への配慮を書いた文章として読まれなくなる可能性が高いです。

 

特定の層にだけ響くような文章や、その都度意味を調べないといけないような文章は

「より多くの方に情報を発信する」というメディアの方向性と逆行していますし、

何より採用選考に送るものとしてはTPOの観点からもやや問題があります。

 

採用担当や企業のライターが見てどう思うか、

というポイントをしっかりと抑えることが大切です。

 

●単純に読みにくい文章

採用担当としてこれまで色々なポートフォリオを見てきましたが、

意外とこのミスをされている方が多い印象があります。

 

文章の上手い・下手以前に、全く改行をしていなかったり、

段落分けなどの工夫を怠っていたり、一文が異様に長かったりと、

単純に読みづらいものを提出される方がかなりの割合でいます。

 

普段目にするブログやニュースサイトを思い返していただくと、

ほぼ全ての記事が段落構造になっていて、見出しもしっかり付けられ、

一定の間隔で改行が行われているかと思います。

 

行が長くなればなるほど読み手は圧迫感を覚えますし、

話の転換点が一目で分かるほうが内容が頭の中に入ってきます。

 

未経験の方であれば文章力を気にしすぎても仕方ないので、

まずはこうしたレイアウトの部分をしっかりと意識した上で

ポートフォリオを作っていけば、選考通過率は上がるはずです。

 

●提出しても意味のないもの

意外と提出される頻度が多いもののため補足として書きますが、

学生時代に書いたレポートはポートフォリオとして認識されません。

 

レポートは学業の中で学んだ情報をまとめただけのものなので、

そもそもライティングの領域とは全く性質の違う文書になります。

社会人で言うところの「報告書」や「議事録」と同じ種類です。

※報告書や議事録を作品集とは言いませんよね…。

 

そのためどうしてもポートフォリオの提出が必要な場合は、

採用企業に連絡してポートフォリオなしで選考を受けられるか聞くか、

一つの文書としてまとめた自己紹介シートなどを送るのがベターです。

 

企業の捉え方や完成度にもよりますが、

自己PRとしても使える自己紹介シートは意外性もあり、

手にした担当者によっては十分にポートフォリオとして機能します。

 

◆人に読まれる文章を書こう

人に公開する以上、自分が面白いと思える文章ではなく、

人が読んだ時に読みやすい、面白いと感じるものを書くことが大切です。

 

採用担当からしても、相手が未経験であることが明らかな場合は

いきなり高いライティングスキルを求めることはありませんので、

まずは小手先の表現や文法などに惑わされず、

読みやすいレイアウトを意識した文章を作ってみましょう。

 

いくら内容が面白くても人に読まれなければ意味がありません。

すでにポートフォリオがある方も、これからポートフォリオを作る方も、

ぜひこの点を意識して、作成・修正を行ってみてください。

 

徐々に選考通過率が上がっていくのを実感できるかと思います。

 

 

ライターになりたい20代へ捧ぐ

ライターは誰でもなれる。

 

これ、ホントの話です。

だって日本に生まれた以上、文章を書いたことがない人はいませんし、

ある程度の学歴があれば何もせずともそれなりの文章を書けるはずです。

 

振り返ってみればレポートや小論文が得意だったとか、

そんな人ってクラスに何人も存在しているはずなんです。

 

とはいえ、そのわりにライターになる目標を実現している人って

めちゃくちゃ多いかと言われれば別にそんなこともない。

 

ということで初回となる今回はその点を踏まえ、

「どうしたら僕(私)ってライターになれるの?」

という20代の方に向けた記事をお送りいたします。

 

クリエイター志望の方ほど心が砕けますのでご注意を。

 

◆ライターの待遇は決して良くない

ライターになれない理由として考えられるのが、

 

  1. そもそも新卒でライター募集を行っている企業が少ない
  2. ライター募集の求人を見ても非正規雇用ばかり
  3. 正社員採用だったとしても待遇が悪い

 

といった理由が考えられるかと思います。

 

文章は書くだけなら誰でもできるのですが、

商用の域でやるとなると、ライティングはやっぱりプロの領域。

そうすると即戦力にならない新卒はなかなか採用されません。

 

稀にポテンシャル重視の採用を行っている企業もありますが、

営業職、総合職(非一般職)と比べるとやっぱり給料は低め。

総合職の新卒初任給の平均が月給23万円と言われているこの時代に、

月給19万円台で募集している求人も数多く見られます。

 

そして安定した雇用形態を望んでいるにも関わらず、

契約社員や業務委託の募集ばかりというのもよくあるケース。

それでも…!とチャレンジしても、結局周りの友人たちと比べてしまい、

最終的にライター業から離脱していく人も少なくありません。

 

ということで、元も子もない結論を出しますが、

ライターは待遇が悪いし稼げません。

 

それでもやるのか?と人生を天秤にかけた時、

聡明な人ほどライターになるのを諦めるはずです。

家庭を持つことを意識する30代からはより顕著になるでしょう。

 

つまり「そもそも間口も狭いし、なれても将来性に欠ける」ので、

ライターとしての就職に踏み出せない人が多くいるのも事実です。

 

◆企業ライターに起こるミスマッチ

ライティングはいわゆる「クリエイティブ」というジャンルに内包されます。

恐らくどの転職サイトを見ても、ライター、記者、コピーライターなどは、

「クリエイティブ職」のカテゴリに入っているかと思います。

 

そしてクリエイティブという言葉を聞いてなんとなく思い描くのは、

「自由に表現力を発揮しながら、自分の作品で世間を魅了する…」

なんていうすごく魅力的で、理想的なビジョンが浮かぶ方も多いはずです。

 

ですがこの日本でそんなビジョンを実現できている人はいません。

断言しますが、絶対にそんな人はいません。

 

もしいるように思えたとしても、その人は裏で泥臭い努力を続け、

絶え間なくスキルアップに向けた自己研鑽をしています。

 

そしてこちらも断言しますが、

残念ながら「自分ならではの感性で世間を魅了することはできません」。

 

冷静に考えれば簡単な話です。

世間と一歩ズレた感性が面白いと評価されることも稀にありますが、

ズレている発想や思想は通常、世間一般からは受け入れられません。

 

それは世の中の大半を占めている「普通の人」の感覚では、

なかなか理解できない異質な感性なんです。

 

理解できない話や絵を見せられて楽しいと感じる人はそうそういません。

TPOからズレているファッションを堂々と着るような人は煙たがられますし、

一部の人にしか響かないようなドラスティックな歌詞は世間の共感を誘えません。

 

売れている曲やファッション、文章、デザインなどはその全てが、

「世間一般のより多くの人たちに面白そうと思えるようなもの」を、

大勢の大人たちが連携し合いながら徹底的に考え抜いて制作されています。

 

自分の感性を100%発揮して大ヒット、なんて作品は存在しません。

それが商用クリエイティブのあるべき姿なんですから。

 

これを読んでげんなりされている方も少なくないはずです。

中には「そんなわけない」と信憑性を疑う人もいるでしょう。

 

恐らくクリエイティブをやりたい人の大多数が、

今筆者が否定したようなことで成果を上げたいと思っているはずです。

 

だからクリエイター志望の人はすぐに辞めます。

 

自分のやりたいクリエイティブができないことをガマンできないケースや、

長時間労働の中で締切を守り続けるというプレッシャーに耐えきれず、

多くの人が早期離職していきます。

 

せっかくライターになれたのに辞めていく人が多いのも、

周りにライターをやっている人が少ない大きな理由です。

 

もちろん長時間労働を強要するような職場は問題があるので、

そこで長く働き続けることが良いことだとは筆者も思いません。

 

しかし、企業で働くライターというのはあくまでも「サラリーマン・OL」です。

営業が制作案件を取ってきて、クライアントがお金を払う先は所属する会社です。

 

自分に直接指名が入り、自分がダイレクトに報酬を受け取る場合は別ですが、

そうでない場合、ライターはただの制作担当です。

 

書いてほしいのはクライアントが思い描く良いものであって、

ライターが思い描く良いものではありません。

 

その現実にしっかりと向き合える人は成長できますが、

プライドが邪魔をして乗り越えられない人は辞めるしかありません。

 

企業のライターはあくまでもサラリーマン(OL)。

 

それを理解できる人だけがライターとして大成できます。

 

◆ならどうすればライターになれるのか

人によっては「ランサーズ」や「クラウドワークス」「サグーワークス」など、

登録型のWebライティングのサイトで活動しようと思う人がいるかもしれません。

 

簡単にライターとしての肩書を獲得できますし、

何より敷居が低いので職務経歴書の賑やかしになると思われがちです。

 

ですが筆者が所属する会社では、

こういった方はかなり慎重に選考を行います。

コピーライター養成講座に通われている方も同様です。

 

実際に採用担当を兼任している筆者からすると…

 

  • クリエイティブ欲が強すぎると早期離職の可能性が高い
  • クラウドソーシングのWebライターは自信に反してレベルが低い

 

こう考えた上で選考を行っています。

 

気軽にWebライターになれるクラウドソーシングですが、

その実態は殆どがWeb上の情報を切り貼りしただけの「レポート」です。

イチから自分で企画を練ってライティングしたものではなく、

情報の真偽すら確認せずにライティングしている可能性もあります。

 

そして自分が書いた記事がどういう目的で使われているのか、

それすら理解していない人が殆どだというのも選考を慎重に進める理由です。

 

目的を理解せずに行うライティングは、

誰に向けてどんな情報を提供するのが最適なのか、

という商用ライティングの根本すら守れていないものです。

 

その一方でライターとして活動した実績はその人に残るので、

抱かれている自信に反してレベルが低いという状況が生まれます。

そりゃあ慎重に選考を進めざるを得ないよね…というお話なのです。

 

なのでハッキリ言ってこんなWebライティングは就活をする上で不要です。

そんなことをするくらいなら求人企業の採用担当者に電話をして、

「どうしてもライターをやりたいから選考をやって欲しい」

と直談判を持ちかける方がまだマシです。

※怒られるかもしれないので自己判断でお願いします…。

 

そして今まで記述してきたことを踏まえ採用される可能性が高い人は、

未経験でもコミュニケーションが豊かな人です。

 

営業職のようなアグレッシブなコミュニケーションではなく、

悩んだらすぐに周りに聞ける、人の意見を素直に受け入れる、

興味を持ったことはとりあえず調べてみて、議論してみるなど、

社会人として当たり前のコミュニケーションができれば問題ありません。

 

逆を言えばライター志望の人はこれができない人が少なくありません。

中にはスキルがあっても自分の価値観・感性を曲げられない人や、

クライアントからのダメ出しですぐにさじを投げてしまう人もいます。

 

当たり前ですがこういう人もライターとして成功しません。

一緒に仕事したくないと思われるような人は、どんなことをしても伸びませんから。

 

また、筆者の経験則として

営業などの「会社の利益に直結する仕事」を経験してきた方や

PR・広報などの「広告などを発注する側」を経験してきた方は有利です。

 

営業を経験していれば「案件を受注する難しさ」を知っているので、

自分が制作するものに対して、安易な自己表現は盛り込めないと思います。

 

そして広告などを発注する立場で動かれてきた方であれば、

「会社の予算を遣うことの重要性」を理解しているはずなので、

営業職と同じく安易な自己表現は盛り込まないと思います。

 

このようにビジネス上の金銭感覚を理解している方は、

企業ライターとして活躍していける可能性が比較的高いと思います。

 

何はともあれまずは「コミュニケーション」。

これを心がけて転職サイトのレジュメづくりや面接対策を行えば

書類選考や面接通過率は上がり、ライターになれる確率は高まります。

 

小手先の経験よりもまずは意欲や素直さ、向上心。

しっかりとライターの現実を理解した上で就職活動に臨めば、

あなたも長くライターとしてのキャリアを描けるはずですよ。