日向坂トゥデイ

2019年3月27日に「けやき坂46」から改名しシングルデビューした「日向坂46」に関する情報や感想を投稿していきます。

日向坂46、仲間から愛されて成長してきた『小坂菜緒』。センター交代劇で見せた涙の真意を読む。

8月9日放送の『日向坂で会いましょう』(テレビ東京)にて、日向坂46が9月23日にリリースする1stアルバム『ひなたざか』のリード曲「アザトカワイイ」のフォーメーションが発表された。

2月16日に加入した新3期生の髙橋未来虹、森本茉莉、山口陽世、約2年間の休業を経て復帰した1期生・影山優佳も参加し、グループとしては初の22名体制での楽曲となる。

 

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その中で一際ファン(おひさま)の話題をさらったのが、2期生・小坂菜緒のセンター交代劇だった。1stシングル「キュン」から4thシングル「ソンナコトナイヨ」まで日向坂の顔として4作連続でセンターを務めてきた小坂だったが、本曲では1期生・佐々木美玲に交代。けやき坂46時代を知るファンからは美玲の久々のセンター復帰に歓喜する声が飛び交った一方、番組ではポジション発表時に小坂が涙した姿も放映され、心配や憶測の声も聞こえてきた。

 

 筆者もこうした声に注目した芸能メディアの記事を何件か目にしたが、その中で語られているものの多くが「センターとしての負担を緩和させるための措置」という論調だった。

8月16日(日)に掲載されたアサ芸プラスの記事『日向坂46小坂菜緒、「センター外れ」で蘇った生駒里奈の“倒れ込み事件”(2020年8月16日)|BIGLOBEニュース』や、同日に掲載されたReal Soundの記事『ドキュメンタリー『3年目のデビュー』でも描かれたセンター小坂の苦悩 - Real Sound|リアルサウンド』がその代表格だ。

 

一方でけやき坂46時代から彼女たちを見てきた筆者としては、乃木坂46の初代センター・生駒里奈欅坂46で不動のセンターとして扱われてきた平手友梨奈と小坂には大きな違いがあると考えている。それこそが坂道グループの中で日向坂46にしか存在しない『けやき坂46』時代の存在だ。

 

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日向坂46の前身であるけやき坂46は2016年の5月に現1期生が加入し正式に活動をスタート。2019年3月のラストライブでその歴史に幕を閉じるまでの約3年間、欅坂46のアンダーグループとして活動してきた。

 

けやき坂46時代にセンターを経験したメンバーの数は坂道グループ全体を見てもかなり多い。グループ設立のきっかけとなった長濱ねる、2019年8月にグループを卒業した1期生・柿崎芽実、現在もフロントメンバーとして活躍している1期生・加藤史帆齊藤京子、そして今回のリード曲でセンターを務める佐々木美玲と、非常に多くのメンバーがセンターを経験してきた。

けやき坂46時代にリリースした1stアルバム『走り出す瞬間』の2期生曲やユニット曲まで含めるとさらに多くのメンバーがセンターを経験しており、その中には2期生に初めて与えられた楽曲「半分の記憶」でセンターを務めた小坂も含まれ、彼女は改名直前の代表曲「君に話しておきたいこと」でもセンターに抜擢されていた。

 

また乃木坂46の生駒や欅坂46の平手はグループに加入した当初から表題曲のセンターを任されていたが、小坂に関しては加入してから1stシングル「キュン」でセンターに抜擢されるまで約1年半のブランクがある。またまずは2期生として1期生の背中を追う立場で活動しており、当時のけやき坂46はライブ活動に力を入れていたため、場馴れする機会も豊富にあった。いきなりセンターとして大舞台を任された生駒や平手とは状況が大きく異なる。

 

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さらに小坂にとって大きな支えとなっているのが、このグループならではの仲の良さや連帯感だ。けやき坂46時代から振付に関わり、日向坂46の最新シングル「ソンナコトナイヨ」まで表題曲全ての振付を担当してきた『振付ユニット・CRE8BOY』の秋元氏も同グループの仲の良さが大きな武器になっていると語っている。(8月7日より全国で公開中の映画『3年目のデビュー』より)

また同映画内では涙を流す小坂の横に1期生の加藤が寄り添い、慰めながらも何故か小坂の手のにおいを嗅ぐというコミカルなシーンも映し出されており、けやき坂46時代の彼女たちのエピソードを描き下ろした『書籍・日向坂ストーリー』でもメンバー同士の関係性を象徴するエピソードが絶えない。

同書では同期の松田好花から「話聞いてあげるから、うちにおいで」と声をかけられたり、キャプテンの1期生・佐々木久美から「こさかなはこさかなだから、周りは気にしなくていいんだよ」と励まされたり、日向坂46としての初ステージで緊張する姿を見かねた1期生・齊藤京子から優しく背中をポンポンされたりと、多くのメンバーが彼女を信頼し支えてきたエピソードが収録されている。

 

特にセンター経験者が豊富だからこそ技術面・精神面の両方で小坂をサポートすることができ、実際に日向坂は全てのシングルで、「それでも歩いてる」でセンターを経験した齊藤京子、「ハッピーオーラ」でセンターを経験した加藤史帆を小坂の左右に配置するフォーメーションを取っている。1stシングル「キュン」に至っては小坂のまわりを全員センター経験者で固める盤石ぶりだった。

日向坂46には、選抜制という厳しい環境の中でセンターが決められてきた乃木坂46や、天才的な表現力から平手友梨奈にセンターを一任し続けてきた欅坂46とは違った環境・風土が築かれている。そして小坂の側には常にたくさんの仲間の支えがあったことが、こうした様々なコンテンツからも読み取れる。

 

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だからこそ筆者が感じた涙の真意は「悔しさ」が強かったように思える。センターは彼女たちをプロデュースする運営スタッフやファンの支持があって初めて任されるポジションだ。それだけに特別であり、強いプレッシャーがのしかかる。

多くのファンに同意いただけると思うが、筆者の目から見ても小坂はあらゆる活動で手を抜いたことがなかったように思える。1stシングルの時点では、けやき坂46時代に見た佐々木美玲の意外性や表現力と比較し物足りなさを感じたファンもいるかもしれないが、そんな感情をすぐに払拭していくほど彼女は堂々としたパフォーマンスを披露してくれた。

3rdシングル「こんなに好きになっちゃっていいの」でもこれまでと違ったシリアスな表情や葛藤する姿を見事に表現していた。日向坂46としては初となるテレビドラマ『DASADA』の主人公・佐田ゆりあで見せた普段とのギャップや意外な演技力の高さに驚いたファンも少なくないはずだ。

 

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それだけの努力を学業と両立する中で重ねてきたからこそ、ポジションへの不安はあれど、センターとしての役割への自信、小坂菜緒という一人のアイドルとしての自信は、彼女の中で必ず付いていっていたはずだ。実際に本人も自身のブログで以下のように吐露している。(原文ママ

 

でも、いざこうなると、解かれた安心感なのか解放感なのか、外れた悔しさなのか悲しみなのか、よく分かりません。

 

確かに、辛い時期もありました。

皆様に心配をかけるような事もありました。

 

 

でも、私はやりたかったんです。

任されたからには、全力で頑張りたかったんです。

小坂 菜緒 公式ブログ 2020.8.11 23:36

 

こう思えるようになるまで全力で走り抜けてきた小坂が「センターという重圧、鎖からの解放、安心感」という気持ちだけで涙を流したとは決して思えない。当時17歳という年齢で流すには不相応なくらいに強い意思がこもった涙だったと筆者は考えている。

 

ただ小坂のファンは特に感じていると思うが、『アザトカワイイ』のMVやプロモーションの一環として配信されているリハーサル動画『ひなリハ』、9月12日(土)に出演した『THE MUSIC DAY』で目にした彼女からはこれまでにはないとてもリラックスした表情が見て取れる。

 

だから、私は、皆さんがご想像されているよりも、マイナスではありません。むしろプラスです( ¨̮ )

 

 

けやき坂461stアルバム「走り出す瞬間」の時に、ずっと背中を見てきて、すごく大好きで、いつしか憧れの存在になってて

今回は後ろじゃなくて、隣でパフォーマンスができるのが、私は嬉しいんです

 小坂 菜緒 公式ブログ 2020.8.11 23:36

 

こうブログで綴っているように、未だ悔しさや悲しみの渦中にいるということはなく、新しいポジションと役割を全力で楽しんでいるのが見て取れる。今回のセンターがかつてセンターとしてグループを牽引してきた佐々木美玲で、彼女のお陽さまのような明るさに支えられ、のびのびとやれている部分もあるのかもしれない。

 

次回は若干20歳にしてキャプテン佐々木久美から「日向坂のお母さん」と形容される新センター佐々木美玲についての記事を予定。その笑顔と成長の過程に迫る。

 

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