日向坂トゥデイ

2019年3月27日に「けやき坂46」から改名しシングルデビューした「日向坂46」に関する情報や感想を投稿していきます。

日向坂46、想像を絶する努力を重ねてきた上村ひなの。変化球だけで終わらない彼女の魅力とは。

12月1日(火)深夜に放送された『あちこちオードリー ~春日の店あいてますよ?~』(テレビ東京)に日向坂46のメンバー、加藤史帆(22)、佐々木美玲(20)、富田鈴花(19)、渡邉美穂(20)が出演。オードリーの二人がMCを務める日向坂46の冠番組『日向坂で会いましょう』(テレビ東京)の裏話が多数繰り広げられた。

 

出演メンバー以外のエピソードも飛び出し、出演していないにも関わらずメンバーの河田陽菜(19)がtwitterでトレンド入り。さらに3期生の上村ひなの(16)が収録の裏で「大喜利のフリップを出すタイミングを間違えた」と号泣するというストイックなエピソードも公開された。

 

上村は2018年に開催された乃木坂46欅坂46けやき坂46の追加メンバーを合同で募集する『坂道合同オーディション』に合格。日向坂46の改名前のグループ『けやき坂46』に単独で配属され注目を集めた。加入当時はけやき坂46の原点とも言える元メンバー・長濱ねる(22)に似た容姿から一部メディアに「長濱ねるの再来」と囁かれることもあったが、彼女の独特なキャラクター性が知られるとともにこうした声は徐々に失われていった。

  

というのも、上村の天然でおっとりとしたキャラクター性は才色兼備のイメージが強い長濱ねると重なることはなく、番組やイベントなどを通して徐々に「変化球キャラ」が浸透。1期生・2期生メンバーとの初めての顔合わせの際に仕掛けられたドッキリで涙を流す様子なども放送され、そのピュアな一面も多くのファンの心を掴んだ。

 

そしてこうしたユニークなキャラクターの前に霞みがちだが、上村は『坂道合同オーディション』の合格者の中でも特に過酷な道を歩んできた。選抜制による厳しさが残る『乃木坂46』、後に改名を迫られることになる『欅坂46』に配属された合格者にも困難が待ち受けることになるが、上村がその道を歩むのは早かった。

 

上村がけやき坂46に配属されてから僅か3ヶ月、けやき坂46が日向坂46に改名し単独デビューすることが発表された。2019年3月27日にリリースされた1stシングル『キュン』で初めてグループの楽曲に参加、リリース前の3月5日・6日には『日向坂46 デビューカウントダウンライブ!!』(横浜アリーナ)が開催され、グループとして開催するライブに初めて登壇することとなった。

 

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そしてここからが想像を絶する怒涛のスケジュールの始まりだ。

3月14日には『MTV LIVE PREMIUM』に出演、その1週間後には『LAGUNA MUSIC FES.2019』、その数日後に『ZIP! 春フェス2019』、『TOKYO GIRLS COLLECTION 2019 SPRING/SUMMER』に連続で出演。

4月末からはデビューシングルの握手会と同時並行で『Rakuten GirlsAward 2019 SPRING/SUMMER』『AirAsia Presents メ~テレ MUSIC WAVE 2019 ~踊るラグーナビーチ~』に出演。

さらに7月17日には2ndシングル『ドレミソラシド』もリリースされており、2ndシングルのレコーディングやMV撮影も並行で行っていたことは想像に難くない。また6月21日に1期生・柿崎芽実の卒業が発表。一部の楽曲は柿崎の代わりに上村が参加することになり、急遽複数の楽曲の振りを覚えなければならなくなった。

 

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そして上村は覚えなければいけない楽曲が多かっただけでなく、その楽曲の難易度も初めから高かった。

けやき坂46の初期の楽曲と日向坂46の楽曲を見比べれば一目瞭然だが、グループ結成当初と比べてダンスの難易度やパフォーマンスのレベルは素人目で見てもわかるほどに上がっている。

簡単な振りから徐々に難易度を上げていった1期生、練習やリハーサルに費やせる時間がまだあった2期生に対して、上村は配属されて半年も経たないうちに短期間・短時間でハイレベルのパフォーマンスを不足なくこなすことが求められていた。

 

しかし半年前まで一般人だった少女がこれを悠々とこなせるはずもなく、2020年8月に公開されたドキュメンタリー映画『3年目のデビュー』では上村がレッスン中に涙を流すシーンが放映されており、親しい関係にあった2期生・小坂菜緒(18)に慰められる姿が収められていた。また3rdシングル『こんなに好きになっちゃっていいの?』の振り入れでも振りをなかなか覚えられず、号泣したエピソードもメンバーから語られている。

坂道グループ全体を見渡しても単独でグループに加入したのは上村のみで、気軽に相談できる同期がいない中、なんとか踏ん張りながらパフォーマンスの精度を上げていったことが様々なエピソードから読み取れる。

 

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一方で忘れてはいけないのが、冠番組『日向坂で会いましょう』をはじめ、舞台に立つ彼女は決して視聴者・観客にこうした弱い部分を見せてこなかったことだ。

だからこそファンは「変化球」に代表される彼女のユニークなキャラクターをストレートに楽しむことができていたし、同番組で見せた独特の切り口から繰り出される大喜利は多くの視聴者に彼女の存在を印象付けさせた。

さらに2ndシングルのカップリング曲『やさしさが邪魔をする』や、3rdシングルのカップリング曲にして初のソロ曲『一番好きだとみんなに言っていた小説のタイトルを思い出せない』で披露した力強い低音ボイスは話題を呼び、その可憐な容姿からは想像のつかない意外な一面に多くのファンが度肝を抜かれた。

また同期はいないものの、その分小坂菜緒をはじめとした先輩たちからの寵愛は深く、上村自身も誰かが卒業することを想像しただけで泣き出すほど強い信頼関係が築かれており、孤立することなく成長を続けてきたことが伺える。

 

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そんな上村の成長はこれまでなかなかクローズアップされることはなかったが、2020年9月23日にリリースされた1stアルバム『ひなたざか』のリード曲『アザトカワイイ』では初めて2列目に抜擢。1st~4thシングルまで全ての楽曲で最後列の3列目中央を任せられてきた上村にとって、大きな変化を迎えた楽曲となった。

また2020年2月16日に加入し上村の同期の扱いになった新3期生、高橋未来虹(16)、森本茉莉(16)、山口陽世(16)とは1歩差をつける形となった。

 

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そしてこの新3期生の3人との差を特に印象付けたのが、同年10月11日放送の『日向坂で会いましょう』で初披露した3期生の楽曲『この夏をジャムにしよう』だ。まだぎこちなさが残る新3期生と比べ、一人だけパフォーマンスの精度が桁違いに高く、上村が他の3人をリードしていることが見て取れる。

たった1年3ヶ月ほどしか加入時期に差がないにも関わらず、その1年3ヶ月の間にいかに上村が成長を遂げてきたのかがこれ以上ないほど伝わってくる映像だ。

 

上村は自他ともに認める「天然」なキャラクターだが、その裏では普段の穏やかな姿からは想像もつかない多大な努力を重ねてきたことが、彼女のパフォーマンスや立ち居振る舞いから見て取れる。そして時に折れそうにもなる自分の弱さをなるべく表に出さず、純粋にファンを楽しませようとする姿勢こそ、彼女の強さであり、上村の真の魅力と言えるのではないだろうか。

忘れてはいけないが、上村は15歳~16歳という若さでこれをやってのけている。10代半ばの少女がプロとしての誇りのもと、全力で駆け抜けていく姿は多くの人を勇気づけるはずだ。今後も彼女の躍進に期待がかかる。